ロゴ制作の費用相場|「5万〜」と「50万〜」に割れる理由と依頼先別の公表価格

ロゴ制作の費用相場|「5万〜」と「50万〜」に割れる理由と依頼先別の公表価格

「お店のロゴを作りたい。でも、いくらかかるのか見当がつかない」——「ロゴ制作 費用」と調べると、相場の数字がたくさん出てきます。ところが、比べてみると記事によって数字がまるで違います。制作会社の目安が「5万円〜」と書く記事もあれば、「50万円〜」と書く記事もあります。この記事では、まずその数字がなぜ割れるのかを確かめます。そのうえで、依頼先ごとに各社が公表している価格を出典つきで並べました。さらに、比較記事ではあまり触れられていない著作権の書き方(27条・28条)、商標登録の実費、無料ツールの規約、頼む側の手続きも、法律や公的機関の資料をもとにまとめています。読み終えたときに、自社がどこに頼むかと、見積もり・契約で確かめることが決まっていることがゴールです。

先に結論(3つ)

  • ロゴ制作の「相場」に、公的な統計はありません。出ている数字は、各社が自社のサイトや記事で示している目安です。
  • 金額は誰に頼むかと、何が含まれるか(提案数・修正回数・納品データ・著作権・商標の調査)で決まります。総額より中身を比べます。
  • お金を払っても、契約で決めなければ著作権は作った人に残ります(文化庁)。ロゴを守る中心は、著作権より商標登録です。特許庁に払う実費は1区分・10年で44,900円です。

結論:ロゴ制作の費用は「誰に頼むか」と「何が含まれるか」で決まる

まずは早見表です。金額は、各社・各サービスが公表している価格や、比較記事に載っている目安です。公的な統計ではありません。

依頼先別の公表価格の早見表(無料ツール・AIからデザイン会社まで)と、総額だけで比べないための3つの確認点
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依頼先公表されている価格の例向いている場面
無料ツール・AI0円〜(有料プランや素材の購入あり)まず仮のロゴがほしい。商標登録はしない前提
スキルマーケット(ココナラなど)表示価格の中央値29,000円(ツクシ調べ。1ページ目60件だけの標本)予算を抑えて、作り手を自分で選びたい
クラウドソーシングのコンペ2万〜8万円(クラウドワークスのロゴコンペ)たくさんの案から選びたい
定額のロゴ制作サービス1案49,800円〜(税別、synchlogo)案の数と料金を最初に決めたい
個人のデザイナー・小さな事務所比較記事では数万〜30万円ほどの幅話した人に作ってほしい。名刺・看板・ホームページまで相談したい
デザイン会社・ブランディング会社比較記事では20万〜500万円の幅理念づくりや使い方のルール(ガイドライン)まで頼みたい

※出典と条件は依頼先別の節にまとめています。2026年10月9日に各社のページで確認した内容です。

同じ「ロゴ1つ」でも、3案から選ぶのか1案だけか。修正は何回までか。著作権は渡すのか。ここが違えば、金額が違うのは当たり前です。だから、総額だけで比べない。これがいちばん大事なポイントです。

ロゴ作成の相場は、なぜ記事によって数字が割れるのか

「ロゴ制作 費用」「ロゴ作成 相場」でYahoo!検索の上位に出た比較記事(2026年10月9日、ツクシが確認)から、依頼先ごとの「相場」を抜き出しました。

比較記事で制作会社の下限が5万円と50万円に割れる10倍の差と、数字が割れる3つの理由
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依頼先比較記事に載っていた目安
クラウドソーシング5,000円〜3万円/2万〜3万円/2万〜15万円/3万〜10万円
個人・フリーランス1万〜15万円/数万〜20万円程度/5万〜30万円
制作会社・デザイン会社5万〜30万円/6万〜15万円/15万〜100万円/20万〜500万円程度/50万〜300万円

※比較記事6本に載っていた数字を、依頼先ごとに並べたものです。どの記事も、第三者の調査や統計を出典には挙げていませんでした。公表されている料金を調べたと方法を書いている記事も1本ありましたが、その会社自身による調査です。同じ記事の中でも、冒頭の要約と本文で数字が違うものがありました(要約では制作会社50万〜300万円、本文ではデザイン会社20万〜80万円)。

同じ「制作会社」でも、下限が5万円の記事と50万円の記事があります。10倍の差です。どちらかがうそ、という話ではありません。数字が割れる理由は、主に3つです。

  • 含まれる範囲が違う:ロゴの形だけか。使い方のルール(ガイドライン)や、名刺・看板への展開まで含むか
  • 「制作会社」の中身が違う:数人の事務所も、企業のブランドづくりを手がける会社も、同じ「制作会社」に入ります
  • 数字の出どころが示されていない:出典がないため、書いた会社の経験や見立てと考えられます

「業界の基準料金」として引かれる表は、2008年表記のアーカイブ

比較記事の中には、日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)の料金表を「基準」として紹介しているものもあります。この表は計算式(X = aY + b + aYZ + C)で料金を出す仕組みです。ただ、表が載っているページはアーカイブ(archive.jagda.or.jp)で、ページの下には「Copyright © 1996-2008」と書かれています。今も有効な基準なのかは、確かめられませんでした(未確認)。「2008年までの著作権表記があるアーカイブの料金表」くらいに受け取っておくのが安全です。

出典のない数字が広まるのは、ロゴに限りません。チラシの反響率「0.01〜0.3%」も同じでした。相場の数字は「入口の目安」にとどめて、実際の見積もりの中身で比べてください。

あわせて読みたいチラシの反響率「0.01〜0.3%」に出典はある?調べてわかった目安の実態と、部数の決め方・効果測定

依頼先別の公表価格と手数料(2026年10月時点)

ここからは、各社・各サービスが自社のページで公表している価格です。公的な統計ではなく、各社の表示です。料金は変わることがあるので、頼む前に最新のページを確かめてください。

クラウドソーシングのコンペ・スキルマーケット(中央値29,000円と価格帯の内訳)・定額サービス(案の数別の料金)・個人やデザイン会社の公表価格
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クラウドソーシングのコンペ:2万〜8万円。払うのは選んだ1件だけ

クラウドワークスのロゴコンペは、「2万円~8万円の4つの価格プランを選ぶだけ」と案内しています。たくさんのデザイナーから案が集まり、「費用が発生するのは選んだ1件のみです」。提案の数が保証人数を下回った場合は、「費用は全額返金されます」とあります。期間は「14日間のコンペがおススメ」です。

  • 発注する側の手数料:「原則、利用料や発注料はいただいておりません」(一部の有料オプションは別料金)
  • 未確認:4つのプランそれぞれの金額と、提案の保証数

ランサーズは、2022年10月1日から、発注する側から「契約金額の5.5%(税込)をシステム手数料として」受け取ると案内しています。2026年時点の料率は、公式のFAQを開けず確かめられませんでした(未確認)。

出典:クラウドワークス「ロゴ作成」「発注の手数料について」、ランサーズ「お知らせ」(2022年)。いずれも2026年10月9日に確認。

スキルマーケット:ココナラの表示価格は中央値29,000円

ココナラの「ロゴ作成・ロゴデザイン」カテゴリには、11,588件が出品されていました。ランキング順の1ページ目、60件の表示価格を数えると、次のとおりです。

表示価格件数
1万円以下13件
1万円超〜3万円19件
3万円超〜5万円15件
5万円超〜10万円11件
10万円超2件

真ん中の値(中央値)は29,000円(ツクシ調べ)。いちばん安いもので5,000円、高いもので130,000円でした。「見積り必須」の表示があったのは21件です。

出典:ココナラ「ロゴ作成・ロゴデザイン」を2026年10月9日にツクシが数えたもの。1ページ目だけの標本で、全体の分布ではありません。表示は出品者が決めた基本料金で、オプションや購入時の手数料を含むか、税込か税抜かは未確認です。

購入する側の手数料は、2021年4月のお知らせで「購入金額の5.5%(税込)」の「サービス手数料」を始めたとあります。2026年時点の料率は、公式ヘルプで確かめられませんでした(未確認)。

出典:ココナラ「お知らせ」(2021年4月12日)

定額のロゴ制作サービス:案の数で料金が決まる

案の数ごとに料金を決めているサービスもあります。たとえばsynchlogoの料金表(税別)は次のとおりです。

提案数税別税込
1案49,800円54,780円
2案59,800円65,780円
3案69,800円76,780円
5案89,800円98,780円

このサービスには、もう1つ大事な項目があります。完成したロゴを制作実績として公開できない場合は、「非公開料として30,000円(税別)」がかかります。「実績に載せるかどうか」で料金が変わる。これは、ほかの依頼先でも確かめておきたい点です(見積もりの6項目)。

出典:synchlogo「料金」(2026年10月9日に確認)。このほか、LOGO市が2022年の自社記事で「プラン料金:29800円」(著作権の譲渡込み)と書いていますが、公式トップを開けず、現在の料金と税込か税抜かは未確認です。

個人のデザイナー・デザイン会社:幅が広いぶん、中身を聞く

個人や事務所、デザイン会社は、料金表を出していないところも多く、比較記事の目安にも大きな幅があります(前の節)。そのぶん、ヒアリングでどこまでやってくれるかが大きく違います。名刺や看板・ホームページへの展開、色や使い方のルールづくりまで頼むなら、その分の費用がかかって当然です。次の6項目を聞いて、中身をそろえてから比べてください。依頼先の選び方そのものは、ホームページの記事ですが制作会社・個人・自作の比べ方が同じ考え方で使えます。

あわせて読みたいホームページ制作はどこに頼む?制作会社・個人・自作を比べて、失敗しない選び方|我孫子・柏の中小企業向け

ロゴデザインを依頼する前に、見積もりで確かめる6項目

ロゴの見積もりは、次の6つをそろえて比べます。メモにして、相談のときに聞いてください。

ロゴの見積もりで確かめる6項目(提案の数・修正の回数・納品データの形式・実績への掲載・著作権の扱い・商標の調査)
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確かめることなぜ大事か
① 提案の数1案か3案か5案か。案の数で料金が変わるサービスが多い
② 修正の回数何回まで料金内か。超えたらいくらか
③ 納品データの形式印刷用(AI・PDFなど)とWeb用(SVG・PNGなど)。カラー・白黒・白抜きの版があるか。看板やのぼりを作るときに困らないか
④ 実績への掲載作り手のサイトに載せてよいか。載せない場合に追加の料金がかかるか
⑤ 著作権の扱い譲ってもらうのか、使う許可だけか。契約書にどう書くか(次の節)
⑥ 商標の調査が含まれるか似たロゴがすでに登録されていないかを調べるか。出願まで頼めるか(商標の節)

とくに④〜⑥は、比較記事でもあまり見かけません。「著作権譲渡」という言葉が出てくる記事はありましたが、契約書に何と書けばよいかまで書いた記事は、調べた範囲では見当たりませんでした。著作権の譲渡を別料金にしている事業者もありますが、金額の目安に根拠を示したものはありませんでした。

「データをもらう」と「著作権をもらう」は別

この節は、法律の条文と公的機関の資料をもとにした一般的な整理です。個別の契約の判断ではありません。迷ったときは、弁護士や弁理士など専門家に相談してください。

お金を払っても、著作権は作った人に残る

文化庁の「誰でもできる著作権契約マニュアル」には、こう書かれています。

データの受け取りと著作権の受け取りの違い、27条・28条を含む譲渡、著作者人格権、文字だけのロゴと著作権、契約書の例文
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「著作物の制作を依頼した場合であっても、完成した著作物に関する著作権を取得したわけではありませんので、制作を依頼した側が著作権を取得するためには、契約において、『完成した著作物の著作権は制作を依頼した側に帰属する』というように合意しておく必要があります。」

ロゴのデータを受け取ることと、著作権を受け取ることは、別の話です。クラウドワークスの利用規約(2026年7月14日改定)も、第18条1項で、納品物の著作権等は「本取引によって譲渡がなされない限り、作成した会員自身に帰属する」としています。どこに頼んでも、決めなければ作った人に残るのが基本です。

譲ってもらうなら「27条・28条を含む」と書く

著作権法61条2項には、こうあります。著作権を譲る契約で、27条と28条の権利が「特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する」。

  • 27条:作品に手を加える(翻案など)権利
  • 28条:手を加えてできたものを使うことについての、元の作者の権利

ロゴは、看板用に横長にしたり、周年記念で少し変えたりと、あとで手を加えることが多いものです。「著作権を譲渡する」とだけ書くと、この2つは作った人に残ると推定されます。文化庁のマニュアルは、規定の例としてこう示しています。

「甲は乙に対し、本契約の締結日をもって、本著作物に関するすべての著作権(著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む)を譲渡する。」

著作者人格権は譲れない。「行使しない」と決める例がある

もう1つ、著作者人格権があります。作品を勝手に変えられないことなど、作った人の人格的な利益を守る権利です。著作権法59条で「譲渡することができない」とされています。文化庁のマニュアルは、著作権を譲り受けた人でも「著作者の了解なくその著作物を修正したり、他の者に修正を依頼することはできません」と書いたうえで、「著作者人格権を行使しない旨を規定する例も見受けられます」と紹介しています。

あとで別のデザイナーにロゴの手直しを頼むかもしれない。そう考えるなら、27条・28条を含む譲渡と、人格権の扱いの2つを、契約の前に確かめておきます。譲渡ではなく「使ってよい範囲の許可」で決める方法もあります。

出典:文化庁「誰でもできる著作権契約マニュアル」p.10ほか、e-Gov法令検索「著作権法」59条・61条、CrowdWorks「利用規約」第18条(いずれも2026年10月9日に確認)

文字だけのロゴは、著作権で守れるとは限らない

ここで、もう1つ知っておきたいことがあります。そもそも、ロゴに著作権が生まれるとは限りません。

参考になるのが、印刷用の書体(フォント)についての最高裁の判決(平成12年9月7日)です。書体が著作物といえるには、「従来の印刷用書体に比して顕著な特徴を有するといった独創性」と、「それ自体が美術鑑賞の対象となり得る美的特性」の両方が必要、としています。

出典:裁判所「最高裁 平成12年9月7日 第一小法廷判決」(平成10(受)332)

これは書体の判決で、ロゴそのものの判決ではありません。この基準がロゴにもそのまま当てはまるかは、判決には書かれていません。ここから先は、判決をもとにしたこの記事の考え方です。図形を組み合わせたロゴや、絵のようなロゴは、事案ごとに判断されます。「ロゴには著作権がない」とは言い切れません。ただ、店名を整った文字で書いただけのロゴは、著作権では守れない可能性がある、とは考えておいたほうが安全です。だから、ロゴを本気で守りたいなら、次の商標登録が中心になります。

商標登録にかかる実費と、先に調べること

商標登録は、ロゴや店名を、決めた商品・サービスについて自社だけが使える権利にする手続きです。商標法では、商標権は「設定の登録により発生する」(18条)、期間は登録の日から「十年」(19条、更新できます)とされています。

特許庁に払う商標登録の実費(1区分・10年で44,900円ほか)と、先願主義・J-PlatPatでの事前調査・商標法29条
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特許庁に払う実費:1区分・10年で44,900円

特許庁の料金表では、出願料が「3,400円+(区分数×8,600円)」、登録料が「区分数×32,900円」(10年分)です。5年ずつ分けて払う方法(分納)もあります。区分は、商品やサービスの種類ごとの分類で、使う分野が増えるほど費用も増えます。

ケース出願料登録料合計
1区分・10年分をまとめて12,000円32,900円44,900円
1区分・前半5年分(分納)12,000円17,200円29,200円
2区分・10年分をまとめて20,600円65,800円86,400円

出典:特許庁「産業財産権関係料金一覧」(2026年4月6日更新、2026年10月9日に確認)。合計は料金表から計算したもので、2区分の例は特許庁「商標出願のいろは」の例と一致します。分納の場合、後半5年分としてさらに区分数×17,200円がかかり、10年の合計は一括で払うより高くなります(1区分なら34,400円と32,900円)。10年後の更新は「区分数×43,600円」、紙で出願する場合は電子化手数料(2,400円+書面のページ数×800円)が別にかかります。

これは特許庁に払うお金だけです。弁理士に頼む場合は、その手数料が別にかかります。手数料の相場は各事務所の自社の表示しかなく、ここでは未確認としておきます。

先に出した人が勝つ。だから先に調べる

特許庁は、商標について「その商標を先に使用していたか否かにかかわらず、先に出願した者に登録を認める先願主義」と説明しています。何年も使ってきたロゴでも、先に他人が出願して登録されれば、そちらが優先されることがあります。

逆の心配もあります。特許庁は「他人が既に同一・類似の商標…を登録している場合には、登録を受けることができないだけでなく、無断で使うと商標権の侵害となる可能性もある」とし、出願前の調査をすすめています。調べる場所は、特許庁の無料データベースJ-PlatPatです。

ツクシ自身のロゴを作ったときも、同じ「ツクシ」「つくし」という名前の会社がほかにあるため、似た印象にならないことも大切にしました(ツクシのロゴ制作の事例)。名前が重なりやすい業種ほど、作る前の確認が大事です。

商標を取っても、他人のデザインを流用したロゴは使えない

商標法29条は、登録した商標でも、出願より前に生まれた他人の著作権とぶつかる場合は、使うことができないとしています。商標を取れば何でも安心、ではありません。作り手が素材やほかの作品をどう使ったかも、確かめておきたい点です。

出典:特許庁「商標制度の概要」「初めてだったらここを読む~商標出願のいろは~」、e-Gov法令検索「商標法」18条・19条・29条(いずれも2026年10月9日に確認)。審査には、対象の案件を出願から約6か月で最初の結果を出す「ファストトラック審査」(試行)がありますが、通常の審査の平均期間は確認できませんでした(未確認)。

無料ツール・AIでロゴを作る場合(商用利用と商標登録)

「ロゴ 作成 無料 商用」で調べると、無料で作れるツールがたくさん出てきます。お店の看板や名刺に使う「商用利用」はできても、商標登録できるかは別の話です。規約の原文を見てみます。

無料ツールで作ったロゴの規約上の注意と、AIで作ったロゴについての文化庁の考え方
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ツール規約・ヘルプの原文読み取れること
Canvaコンテンツライセンス契約 第9条(2)で、コンテンツを「商標、デザインマーク、商号、ビジネス名、またはサービスマークの一部として使用すること(フォントを除く)」を禁止。ヘルプでは、テンプレートで作ったロゴの権利は「非独占的なものであり、あなたはそれを商標として登録することはできません」ヘルプには「素材コンテンツは使用できません(例:写真やイラスト)」「ロゴを構成する要素は、あなたが独占権を有するものでなければなりません」ともある。テンプレートや素材を使ったロゴは、商標に向かない。簡単な線・図形とフォントで一から作ったものや、自分で作ったロゴを取り込んだものは扱いが違う、というのがヘルプの整理
Wixロゴメーカー追加利用規約 2.1で、アイコンやフォントなどは「すべてのユーザーに非独占的に提供される」ため、他の人のロゴと「著しく類似しているか、同一ではないことを保証することはできません」。2.5で、他のユーザーが作った「類似または同一のロゴ」の登録や使用に「異議を申し立てず」、同意する、と定めている同じ要素から、よく似たロゴを他の人も作れる。しかも、それに異議を言わないことに同意する形になる。2.7では、購入・ダウンロード後に作り変えることも禁止(2.8に例外あり)

出典:Canva「コンテンツライセンス契約」(日本語版はAI翻訳で、英語版が優先と明記)、Canva ヘルプ「Canvaで作成したロゴの商標登録」、Wix「Wixロゴメーカー 追加利用規約」(2025年7月14日最終更新)。いずれも2026年10月9日に確認。Adobe ExpressとChatGPTの現行の規約は、ページを開けず確かめられませんでした(未確認)。

無料ツールのロゴは、開店準備中の仮のロゴや、社内のイベント用には十分なこともあります。ただ、長く看板として使い、商標も取りたいなら、規約の原文を読んでから決めてください。

AIで作ったロゴの著作権(文化庁の考え方)

画像生成AIでロゴを作る方法もあります。文化庁の審議会がまとめた「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)は、次のように整理しています。

  • AIは「創作する者」にはなれない(p.39)
  • AIへの指示が「表現に至らないアイデアにとどまるような場合には、当該AI 生成物に著作物性は認められない」(p.39)
  • 何度も生成し直すこと、いくつかの中から選ぶことは、それだけでは創作したことにならない(p.40)
  • 人がAIの生成物に創作的な加筆・修正をした部分は、「通常、著作物性が認められる」(p.40)
  • AIで作ったものが既存の作品に似ていて、それをもとにした(依拠した)と認められれば、ふつうの著作権侵害と同じように扱われる(p.32〜33)

この「考え方」に法的な拘束力はなく、最終的には裁判所が個別に判断します。

出典:文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)

つまり、「お店のロゴを作って」と短く指示して出てきたロゴは、誰の著作物にもならない可能性があります。他人のロゴに似ていれば、問題になることもあります。商標法の登録の条件には、作ったのが人かAIかという決まりは見当たりません(条文で確認)。ただ、特許庁がAIで作ったロゴについて公式の見解を出しているかは、確かめられませんでした(未確認)。AIで作るなら、J-PlatPatでの確認と、ツールの規約の確認はセットで考えてください。AIで作った文章・画像の扱いは、ホームページはAIで無料で作れる?でも整理しています。

あわせて読みたいホームページはAIで無料で作れる?6サービスの無料プランを公式で確認(2026年10月時点)

頼む側の手続き:源泉徴収とフリーランス法

個人のデザイナーにロゴを頼むとき、発注する側にも手続きがかかることがあります。比較記事では、調べた範囲では見当たりませんでした。

個人のデザイナーに頼むときの源泉徴収の税額の計算式と、フリーランス法3条の条件明示
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源泉徴収:会社などが個人に「デザインの報酬」を払うとき

国税庁の所得税基本通達204-6の表には、源泉徴収の対象として「デザインの報酬」があり、204-7ではデザインの範囲に「グラフィックデザイン(広告、ポスター、包装紙等のデザイン)」などを挙げています。同じ表には「標章の懸賞の入賞金」もあります。デザインの報酬は、原稿料などと同じ所得税法204条1項1号の報酬です。税率は、タックスアンサーNo.2795(原稿料や講演料を支払ったとき)の計算式では次のとおりです。

1回に払う金額(A)源泉徴収する税額
100万円以下A×10.21%
100万円超(A−100万円)×20.42%+102,100円

ただし、給与の源泉徴収をしていない個人(従業員を雇っていない個人事業主など)が払う場合は、タックスアンサーNo.2502で「源泉徴収をする必要はありません」とされています。

注意したいのは、「ロゴ制作料がそのままデザインの報酬に当たる」と国税庁が明示した資料は、確かめられなかったことです。コンペの賞金が懸賞の入賞金に当たるかも未確認です(通達204-10には、懸賞の賞金でおおむね5万円以下なら源泉徴収しなくて差し支えない、という定めがあります)。個人に頼むときは、支払いの前に顧問の税理士に確認してください。

出典:国税庁「所得税基本通達 204-6・204-7・204-10」、タックスアンサー「No.2795」(令和8年4月1日現在法令等)、「No.2502」。CrowdWorksの利用規約第19条(1)も、源泉徴収の義務があるときはクライアントが納付する、としています。

フリーランス法:従業員のいない個人に頼んだら、条件をすぐ書面で

フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)の3条は、従業員のいない個人などに仕事を頼んだら、「直ちに」、頼む内容・報酬の額・支払期日などを、書面かメールなど(電磁的方法)で明示するよう定めています。この明示は、発注する側に従業員がいてもいなくてもかかります。従業員を使っている発注者(会社や個人事業主)には、受け取った日から60日以内のできるだけ短い期間で支払期日を決めることなど、さらに決まりが加わります。

ロゴは、ヒアリング→提案→修正と、やりとりが続く仕事です。「何案・何回修正・いくら・いつ払うか」をメールで残しておけば、法律の明示にもなり、あとの行き違いも防げます。くわしい対象と決まりは、ホームページはどこに頼む?(フリーランス法の節)にまとめています。

出典:e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」2条・3条

我孫子・柏から相談できる窓口(知財・商標)

商標や契約のことを、第三者に聞いてから決めたい。そんなときに使える窓口があります。

我孫子・柏から相談できる知財・商標の窓口(東葛テクノプラザの知財・発明相談、INPIT千葉県知財総合支援窓口)
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窓口内容日時・場所
東葛テクノプラザ無料相談室「知財・発明相談」(柏市)特許・実用新案・意匠・「商標(デザイン、ブランドを含む)」の出願手続きや、契約・権利の紛争の相談。相談員は弁理士(日本弁理士会関東会千葉委員会)毎月第4火曜 午後1時〜4時。柏市柏の葉5丁目4-6。完全予約制
INPIT千葉県知財総合支援窓口(一般社団法人千葉県発明協会)知的財産に関する相談平日9時〜17時。千葉市稲毛区天台6-13-1。電話 043-255-7987。相談料はページに記載がなく未確認

出典:柏市「東葛テクノプラザ無料相談室」(ページの更新日は令和5年12月22日)、千葉県「知的財産に関する総合支援」(いずれも2026年10月9日に確認)

東葛テクノプラザの知財相談は、市のページが令和5年の更新のままです。2026年も続いているかは未確認です。行く前に、予約のときに実施日と内容を確認してください。

ホームページやSNSの相談なら、柏市の専門家相談もあります(ホームページはどこに頼む?の地域の節)。

ツクシに頼む場合

ツクシは我孫子を拠点にした個人事業です。窓口は最初から最後まで代表の橋爪が担当します。ロゴ制作の料金は次のとおりです。

内容料金(税込)含まれるもの
ロゴ55,000円〜3案のご提案、修正2回まで、データ一式(印刷用・Web用)

※3回目以降の修正や、案を追加する場合などは、内容に応じてお見積りします。費用がかかる場合は、作業の前に必ずお伝えします。商標の調査や出願は含みません。商標を取る場合は、弁理士や地域の相談窓口への相談をおすすめします。

ツクシが作ったロゴ(採用された案)の著作権は、代金のお支払いが完了した時点で、著作権法27条・28条の権利を含めてお客さまに譲渡します。あわせて、ツクシはお客さまと、お客さまが指定する方に対して、著作者人格権を行使しません。あとで看板用に作り変えたり、別のデザイナーに手直しを頼んだりするときに、著作権のことでツクシの許可を取り直さなくて済むようにするためです。

ただし、ロゴに使ったフォントや素材など、ツクシ以外の権利のものは譲渡の対象外で、それぞれの利用条件に従います(使ったものは納品時にお伝えします)。また、前の節のとおり、文字だけのロゴなどは著作権が生じないこともあります。ロゴを独占的に守りたい場合は、商標登録をご検討ください。

採用されなかった案の著作権はツクシに残りますが、別のお客さまにそのまま使い回すことはしません。

制作事例への掲載は、お客さまの了承を得てからにします。この記事で挙げた6項目は、ツクシに頼む場合も遠慮なく聞いてください。

ツクシは、ロゴを作る前に「誰に、何を伝えたいか」をうかがいます。ツクシ自身のロゴも、6つの方向性から始めて、最後は4案を比べ、小さく表示したときの見え方まで比べて決めました(ツクシのロゴ制作の事例)。ロゴが決まったら、名刺・チラシ・ホームページまで同じ色と形でそろえることもできます。料金と進め方は我孫子・柏のロゴ制作(ツクシのデザイン)のページにまとめています。

よくある質問

ロゴ制作の費用相場は、結局いくらですか?
公的な統計はなく、1つの数字では言えません。公表されている価格では、ココナラの表示価格の中央値が29,000円(ツクシ調べ。1ページ目60件だけの標本で、全体の分布ではありません)、クラウドワークスのロゴコンペが2万〜8万円、定額サービスで1案49,800円〜(税別)などです。デザイン会社は、比較記事によって20万〜500万円と幅があります。提案数・修正回数・著作権の扱いをそろえてから比べてください(依頼先別の公表価格)。
ロゴの商標登録は、したほうがいいですか?
長く看板として使うロゴなら、検討する価値があります。商標は先に出願した人が優先される「先願主義」で、文字だけのロゴは著作権では守れない可能性もあるからです。特許庁に払う実費は1区分・10年で44,900円です(弁理士の手数料は別)。まずはJ-PlatPatで、似たものが登録されていないか確かめてください(商標の節)。
「著作権も譲渡します」と言われました。それで十分ですか?
契約書の書き方を確かめてください。著作権法61条2項で、27条・28条の権利は、譲渡の対象として特に書いていないと、作った人に残ると推定されます。文化庁のマニュアルは「著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む」と書く例を示しています。著作者人格権は譲渡できないので、「行使しない」と決めるかどうかもあわせて確かめます(著作権の節)。
無料ツールで作ったロゴを、お店で使ってもいいですか?
多くのツールは商用利用を認めていますが、条件はツールごとに違います。商用利用できても、商標登録できるかは別です。Canvaの規約は、素材やテンプレートなどのコンテンツを、商標やビジネス名の一部として使うことを禁止しています。Wixロゴメーカーの規約には、他のユーザーが作った似たロゴの登録や使用に異議を言わない、という条項があります。長く使うなら、規約の原文を読んでから決めてください(無料ツールの節)。
AIで作ったロゴに著作権はありますか?
文化庁の考え方では、AIは作者になれず、指示がアイデアにとどまる場合は著作物にならないとされています。人が創作的に手を加えた部分は、通常は著作物になるとされています。他人のロゴに似ていれば問題になることもあるので、使う前にJ-PlatPatで似た登録商標がないか確かめ、ツールの規約も確認してください(AIの節)。
個人のデザイナーに頼むとき、気をつけることは?
2つあります。1つは、頼む内容・金額・支払期日をメールなどで残すこと(フリーランス法3条の明示)。もう1つは、法人が個人にデザインの報酬を払う場合の源泉徴収です。ロゴ制作料が当たるかを国税庁が明示した資料は確かめられなかったので、支払いの前に顧問の税理士に確認してください(手続きの節)。
ロゴだけ頼めますか?
ツクシでは、ロゴだけのご依頼も承っています。名刺やチラシ、ホームページまでまとめてそろえる場合は、全体でお見積りします(デザイン制作)。

まとめ

  • ロゴ制作の「相場」に公的な統計はない。比較記事では、制作会社の下限が5万円の記事も50万円の記事もある。JAGDAの料金表は2008年表記のアーカイブ
  • 公表価格の例:ココナラの表示価格(1ページ目60件)の中央値29,000円(ツクシ調べ)、クラウドワークスのロゴコンペ2万〜8万円、定額サービス1案49,800円〜(税別)。手数料は、現行の料率が未確認のものがある
  • 見積もりは提案数・修正回数・納品データ・実績への掲載・著作権・商標の調査の6項目をそろえて比べる
  • お金を払っても、契約がなければ著作権は作った人に残る(文化庁)。譲渡なら「27条及び28条の権利を含む」と書き、人格権の扱いも決める
  • 文字だけのロゴは著作権で守れない可能性がある。守る中心は商標登録。特許庁の実費は1区分・10年で44,900円。先願主義なので、J-PlatPatで先に調べる
  • 無料ツールは商用利用と商標登録は別。AIのロゴは著作物にならない可能性がある
  • 個人に頼むなら、条件をメールで明示(フリーランス法)。源泉徴収は税理士に確認

デザインのほかの記事はデザインの一覧から、依頼先の選び方はホームページはどこに頼む?でも整理しています。

「ロゴを作るか、今のロゴを整えるか、まず話を聞いてほしい」という段階でも大丈夫です。誰に何を伝えたいかをうかがって、どこまで頼むといいかを一緒に整理します。合わなければ、正直にお伝えします。LINEかお問い合わせからどうぞ。先に自分で傾向を知りたい方は、3分でできる打ち手診断もあります。

参照した資料

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