写真の構図は「三分割が正解」じゃない?メーカーの公式解説と研究でわかった、スマホでお店の写真を良くする3つのコツ
「お店の写真をスマホで撮っているけれど、なんだかパッとしない」——ホームページやSNS、チラシの写真で、地域の会社の社長からよく聞くお悩みです。写真の構図を調べると「三分割法が基本」「構図は○種類」と、覚えることがたくさん出てきます。でも、カメラメーカーの公式解説にも「こうしなければダメという構図があるわけではありません」(ニコン)と書かれています。この記事では、メーカーの公式解説と、構図の好みを調べた研究をもとに、お店の写真で押さえておきたい3つのコツ、iPhone・Pixelのグリッド線の出し方、商品・店内・施工・人物の撮り方の例をまとめました。読み終えたときに、次にスマホを構えたとき、どこに何を置けばいいかが分かることがゴールです。
代表の私は、漫画『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博、集英社)の、いわゆるヨークシンシティ編(8〜13巻)やグリードアイランド編(13〜18巻)の景色が良くて、読み返すたびについ見てしまいます。なぜ目が止まるのか。それを、写真の構図の言葉で考えてみるところから始めます。
目次
結論:写真の構図は「主役・置き場所・余白」の3つで変わる
写真の構図の解説では、8〜16種類の構図を並べている記事が多く見られます(「写真 構図」でYahoo!検索の上位に出た記事。2026年10月9日、ツクシが確認)。けれど、お店の写真なら、全部を覚える必要はありません。ツクシがおすすめするのは、撮る前に次の3つだけ決めることです。
- 主役を1つに決める:この写真で見てほしいものは何か(商品1つ、入口、仕上がった壁、人の表情など)
- 置き場所を選ぶ:主役が1つなら真ん中でもいい。迷ったら、グリッド線の交わるところに置く
- 余白を残す:人や物が向いている側を空ける。あとで切られても困らないよう、主役の周りに少しゆとりを持たせる
| 撮るもの | おすすめの構図 | ひとこと |
|---|---|---|
| 商品1つ・料理1皿 | 日の丸構図(真ん中) | 背景をすっきりさせて、主役だけを見せる |
| 商品をいくつか・店内 | 三分割法 | 主役を交点に置き、残りで雰囲気を見せる |
| 店内の奥行き・通路・施工現場 | 対角線・視線を導く線 | 床や壁の線で、奥へ目を運ぶ |
| 外観・施工のBefore/After | 水平・垂直をそろえる | グリッド線で傾きを確かめる。Before/Afterは同じ位置から |
| 人物(社長・仕事中の様子) | 三分割法+向いている側に余白 | 顔の向きの先を空ける |
※この表はツクシの考え方をまとめた例です。業種や使う場所によって合う撮り方は変わります。
写真の構図とは? つい見てしまう景色を、構図の言葉で言うと
構図とは、写真の枠の中に、何をどこに、どのくらいの大きさで置くかの組み立てのことです。カメラメーカーの解説を読むと、「つい見てしまう」には、いくつかの言葉で説明できる理由があります。
視線は「線」と「向き」に引っぱられる
レンズメーカーのタムロンは、写真の中の道や壁のような線を「視線を誘導する線」(リーディングライン)と説明しています。また、縦の写真は視線が上から下へ、横の写真は左から右へ動きやすいとしています。
ニコンは、人は主役の向きに視線を誘導される、と書いています。そのうえで、「視線が届かず意味のない余白がある写真はどこか居心地悪く感じ」ると注意しています。人や物が向いている側に空間があると、見る人の目もそちらへ自然に進みます。
手前と奥を重ねると、奥行きが出る
タムロンは、「前景、中景、後景の重ね合わせ」で奥行きが出ると説明しています(レイヤリング)。たとえば店内なら、手前にカウンターの端、真ん中に商品棚、奥に窓、という重ね方です。また、背景を多く入れると「被写体がその場にいることの意味やストーリー性が強まり」ます。
出典:タムロン「構図の基本」(掲載 2023年12月25日、更新 2025年7月1日)、ニコン「Lesson12」(いずれも2026年10月9日閲覧)
冒頭で書いた漫画の景色について、どのページがどんな構図になっているか、といった分析はこの記事ではしません。画像も載せません。伝えたいのは、目が止まる景色には、線・向き・重なり・余白という言葉で説明できる理由がある、ということです。自分のお店の写真でも、「どこに目が行くか」を同じ言葉で確かめられます。
構図の基本:まず覚えるのは3つ(三分割法・日の丸構図・対角線)
写真の構図の基本として、お店の写真で使う場面が多いのは次の3つです。
三分割法:迷ったときの目安
ニコンは三分割法を、「画面を縦に三等分、横に三等分し、そのライン上や線が交わる場所に被写体を配置することで画面がバランスよく、収まりよく見える」と説明しています。同じ節で、「ぴったりに合わせなければいけないということではなく、おおよそバランスを取る方法」とも書いています。ソニーは「構図に迷ったら、この構図をイメージして撮影してみましょう」としています。
スマホなら、グリッド線を出すと、画面に縦横2本ずつの線が入ります(Pixelは[グリッドの種類]で「3×3」を選んだ場合)。線の交わる4つの点のどれかに主役を置くのが、三分割法の使い方です。
日の丸構図:商品1つ・ロゴ・正面の人物に
主役を画面の真ん中に置く構図です。ソニーは「被写体の力強さや、主張をはっきり表現できる構図ですが、反面、単調なイメージになりがちです」と説明しています。商品1つ、看板やロゴ、正面を向いた人物など、見てほしいものが1つだけのときに向いています。単調に見えるときは、主役に寄って大きく写す、背景を整理する、といった方法で調整できます(ツクシの考え方)。
対角線・線を使う構図:店内や現場に奥行きを出す
画面の対角線を意識して、被写体や線を斜めに入れる構図です。角から角へぴったり通らなくてもかまいません。店内の床の目地、カウンター、通路、足場や壁のラインなどを斜めに入れると、奥へ向かって目が動きます。先ほどの「視線を誘導する線」を使う方法です。
そのほかの構図(早見表)
名前だけでも知っておくと、ほかの解説を読むときに役立ちます。お店で使うなら、という例を添えました。
| 構図 | どんな構図か | お店での使いどころ(例) |
|---|---|---|
| シンメトリー | 左右(上下)が対称になるように撮る | 正面からの外観、左右がそろった店内 |
| 二分割 | 画面を半分に分ける(空と地面など) | 外観と空、水平線のある景色 |
| トンネル・額縁 | 手前の枠(入口・窓など)の中に主役を入れる | 入口越しの店内、窓越しの作業風景 |
| 三角 | 主役が三角形を作るように置く | 商品をいくつか並べるとき |
| 放射線 | 線が1点から広がる(または集まる)ように撮る | 通路や天井の線がある店内 |
| S字・C字 | 曲がった線で目を運ぶ | カーブした道、庭の小道 |
※構図の名前はニコン「Lesson12」の構図のアイデアなどによります。「お店での使いどころ」はツクシの例です。黄金分割など、ほかにも名前の付いた構図があります。
「三分割が正解」「日の丸構図はダメ」は本当?
結論から言うと、三分割法は「迷ったときの目安」で、正解ではありません。メーカーの書き方と研究の両方から見てみます。
メーカーの公式解説でも、言い方が分かれている
| メーカー | 三分割法 | 日の丸構図 |
|---|---|---|
| ニコン | 「おおよそバランスを取る方法」。全体として「こうしなければダメという構図があるわけではありません」 | 構図のアイデアの1つとして紹介 |
| ソニー | 「構図に迷ったら、この構図をイメージして撮影してみましょう」 | 「被写体の力強さや、主張をはっきり表現できる」一方、「単調なイメージになりがち」 |
| キヤノン | 線の交差した4つのポイントに置くと「まとまったフレーミングに見える」 | 「日の丸構図ばかりになってしまうという初心者の方」に、三分割法などをすすめている |
出典:ニコン「Lesson12」、ソニー「Mr.イナバーのみんなのαレッスン」、キヤノン「写真用語集 黄金分割」(いずれも2026年10月9日閲覧)
日の丸構図は、ソニーとキヤノンで書き方が違います。メーカーの中でも「これが正解」とは決まっていない、ということです。
研究では、1つの被写体は「真ん中」が一番好まれた
Palmerらの研究(2008年)では、1つの物体を枠の中のどこに置くと好まれるかを調べました。結果は、どの物体でも、どの向きでも、最も好まれた位置は枠の中心でした。研究室の解説ページは、三分割法の主張は結果と強く食い違ったとしつつ、中心からずらす工夫を考えるきっかけとしては役に立つかもしれない、とも書いています。また、向きのある物体は、枠の外側より内側を向いているほうが好まれました。「向いている側に余白を」という考え方とも合う結果です。
また、Amirshahiらの研究(2014年)は、評価の高い写真や絵画を多数調べ、三分割法は「果たしている役割があるとしても小さい」とまとめています(原文「the rule of thirds seems to play only a minor, if any, role」)。
出典:Palmer, S. E., Gardner, J. S., & Wickens, T. D. (2008). Aesthetic issues in spatial composition: effects of position and direction on framing single objects. Spatial Vision, 21, 421–449(Palmer研究室の解説)、Amirshahi, S. A. et al. (2014). Evaluating the Rule of Thirds in Photographs and Paintings. Art & Perception, 2, 163–182(論文PDF)。日本語はツクシの訳です。
注意したいのは、どちらの研究も見た人の「好み」や作品の傾向を調べたもので、売上やクリック数を測ったものではないということです。「真ん中に置けば売れる」という意味ではありません。言えるのは、「三分割にしないと失敗」ではない、というところまでです。主役が1つなら真ん中で堂々と、まわりの様子も見せたいなら三分割、と使い分けるのがおすすめです。
スマホ(iPhone・Pixel)のグリッド線の出し方
三分割法も水平・垂直も、スマホのカメラに線を出すと確かめやすくなります。富士フイルムのスマホ向け解説でも、「水平垂直を意識して」グリッドラインで確かめる方法が紹介されています。
| 機種 | 公式の手順 |
|---|---|
| iPhone | 「設定アプリを開きます。『カメラ』をタップしてから、『グリッド』と『水平』をオンにします」 |
| Google Pixel | カメラアプリを開き、左下の設定アイコン →[その他の設定]→[グリッドの種類]で種類を選ぶ |
| そのほかのAndroid | 機種によって手順が違います。お使いの機種の説明書で確認してください |
出典:Apple「iPhoneユーザガイド:iPhoneのカメラツールを使って撮影を設定する」(iOS 27版)、Google「Pixel カメラ ヘルプ:カメラ アプリの設定を変更する」、富士フイルム「スマホ写真センスアップ術」(いずれも2026年10月9日閲覧)。画面の表示は、OSのバージョンで変わることがあります。
iPhoneの「水平」をオンにしておくと、外観や店内の傾きに気づきやすくなります。
撮るもの別のコツ:商品写真・店内・施工事例・人物
ここからは、ツクシが撮影の前に考えていることを、撮るもの別に例としてまとめます。
商品写真の撮り方:主役1つ+背景はすっきり
- 商品1つなら、日の丸構図で真ん中に。迷わず主役だと分かります
- 背景のものを減らします。タムロンの説明どおり、背景が多いほど「被写体がその場にいることの意味やストーリー性」が強まるので、商品そのものを見せたいときは、写り込むものを片づけます
- 反対に、使っている場面ごと見せたいとき(料理と店内、道具と作業台など)は、背景を少し入れて三分割にします
店内・外観:水平・垂直と、入口からの線
- グリッド線で、柱や壁の縦の線、カウンターや床の横の線をそろえます
- お客さまが入口から入ったときの目の高さで撮ると、「行ったらこう見える」が伝わります
- 通路や床の線を斜めに入れると奥行きが出ます。手前・真ん中・奥に何があるかを意識します
施工事例:Before/Afterは同じ位置・同じ構図で
- 工事の前と後は、同じ場所に立ち、同じ向き・同じ範囲で撮ります。比べたときに、変わったところだけが目に入ります
- 工事の前に、立った位置を目印やメモで残しておくと、後で同じ構図にしやすくなります
- 建物全体は、縦の線が傾かないようにグリッド線で確かめます
人物:向いている側に余白を
- 顔や体が向いている側を空けて、三分割の線の上に人を置きます。ニコンの説明でいえば、視線の向かう先にある余白です
- 正面を向いたプロフィール写真なら、真ん中に置く日の丸構図も合います
- 手元や道具を見せたいなら、手元を主役にして寄ります。顔を出したくない方の写真にも使えます
人が写った写真をホームページやSNS、チラシ、広告に載せるときは、写っている本人に「どこに・いつまで載せるか」を伝えて、同意を取ってから載せてください。あとで確かめられるよう、同意は書面やメッセージで残しておくと安心です。来店中のお客さまが写り込んだ写真は、載せないか、分からないように加工します。お子さんの場合は保護者の同意を取ってください。
HP・SNS・チラシで使い回すなら、余白を残して撮る
同じ写真でも、ホームページ、SNS、チラシでは、使える形(縦長・横長・正方形)が違います。撮った写真が使う場所の形に合わないと、端が切られます。そこで、主役を画面いっぱいにせず、周りに少しゆとりを残して撮るのがおすすめです。あとで縦にも横にも切り出せるので、1回の撮影で使える場所が増えます(ツクシの考え方)。
カメラの比率は、iPhoneでは「1:1」「4:3」「16:9」から選べ、Pixelではワイドクロップ(16:9)と画像全体(4:3)があります(各社の公式ヘルプ)。インスタグラムの投稿で使える比率とサイズは、インスタの画質が落ちるのはなぜ?にまとめています。チラシに載せる写真は、チラシの反響率と効果測定、Googleマップに載せる写真はGoogleビジネスプロフィールの記事もあわせてどうぞ。
撮った後に、トリミングと傾きで直す
撮るときに構図が決まらなくても、あとから直せます。Appleのユーザガイドでは、撮った後に写真アプリで位置をそろえたり、傾きを直したりできると案内しています。Googleのandroid.comの解説でも、撮影後のトリミングで構図を整える方法が紹介されています。
- 傾いた外観・店内は、まず傾きを直す
- 主役が小さすぎるときは、周りを切って主役を大きくする
- 使う場所ごとに形を変えたいときは、元の写真を残したまま切り出す
ただし、施工のBefore/Afterや商品・料理の写真を広告やチラシに使うときは、Afterだけ明るくする、色を実物より鮮やかにするなど、実際より良く見せる加工は避けてください。景品表示法の「優良誤認」にあたるおそれがあります。傾きや明るさは、Before・Afterを同じように直すのが基本です。
出典:Apple「iPhoneユーザガイド」、Google「android.com 構図の解説」(いずれも2026年10月9日閲覧)
そのためにも、余白を残して撮っておくと安心です。足りない部分は、あとから足せません。
ツクシに頼む場合
ツクシは我孫子を拠点にした個人事業です。窓口は最初から最後まで代表の橋爪が担当し、撮影はパートナーのカメラマンとチームを組んで伺います。撮る前に「どの写真を、どこで使うか」を撮影リストにして、一緒に確認してから撮ります。
| メニュー | 料金(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| 写真撮影のみ | 2時間 44,000円/半日 66,000円/1日 110,000円 | 撮影リストの事前設計、撮影、色の補正、撮影データの納品込み(モデルの手配は含みません) |
| 動画と同じ日に写真も撮影 | お見積り | 外観・店内・仕事風景・商品など。紹介動画は、例として3分1本+1.5分以内の短い動画3本で35万円(尺・本数・撮影場所で変わります) |
| バナー・SNS画像 | 1枚 5,500円〜 | デザイン、修正2回まで(写真撮影は別) |
| チラシ(A4) | 片面 38,500円/両面 60,500円 | 構成の整理、デザイン、修正2回まで(原稿作成・撮影・印刷は別) |
※料金は一例です。撮影の内容・場所・分量で変わります。我孫子市・柏市以外は交通費を別途お見積りします。
納品した写真のデータはお客さまのものとしてお渡しするので、写っている方の同意の範囲で、ホームページ・SNS・チラシ・広告に使えます。写真の納品は、撮影から1週間ほどが目安です。くわしくは単発のご依頼、動画制作・写真撮影、デザイン制作をご覧ください。
よくある質問
スマホで撮った写真でも、構図で良くなりますか?
三分割の線に、ぴったり合わせないといけませんか?
日の丸構図(真ん中に置く)は素人っぽいですか?
構図は何種類くらい覚えればいいですか?
一緒に働く人やお客さまの顔が写った写真を載せてもいいですか?
まとめ
- 写真の構図は、主役を1つに決める・置き場所を選ぶ・余白を残すの3つで変わる
- 構図の基本は、三分割法(迷ったときの目安)・日の丸構図(主役が1つのとき)・対角線(奥行きを出す)の3つで足りる
- ニコンは「こうしなければダメという構図があるわけではありません」と書き、日の丸構図の書き方はソニーとキヤノンで分かれている
- 研究では、1つの被写体は真ん中が一番好まれた(Palmerら、2008年)。ただし「好み」の研究で、売上を測ったものではない
- iPhoneは「設定」→「カメラ」で「グリッド」と「水平」をオン、Pixelはカメラアプリの[グリッドの種類]から
- HP・SNS・チラシで使い回すなら、主役の周りに余白を残して撮り、あとでトリミングする
デザインまわりのほかの記事はデザイン、すべての記事はお役立ち情報からどうぞ。
「うちのお店なら、何をどう撮ればいいか一緒に考えてほしい」という段階でも大丈夫です。使いたい場所とご予算をうかがって、撮影リストを整理します。LINEまたはお問い合わせからどうぞ。先に自分で傾向を知りたい方は、3分でできる打ち手診断もあります。
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