YouTube採用チャンネルとは?中小企業の始め方とメリット・注意点

YouTube採用チャンネルとは?中小企業の始め方とメリット・注意点

求人媒体への掲載は、掲載期間が終われば消えてしまいます。お金を払って集めた応募も、その募集が終われば手元には何も残りません。一方で、動画とYouTubeは「貯まっていく資産」です。一度作った動画は、公開し続けるかぎり24時間、会社のことを伝え続けてくれます。この記事では、YouTube採用チャンネルとは何か、中小企業が始めるメリットと注意点、そして“作って終わり”にしないための始め方・続け方を整理します。

YouTube採用チャンネルとは?

YouTube採用チャンネルとは、会社が自社の採用に向けた動画を、YouTube上で継続的に公開していく取り組みのことです。社長や社員の紹介、仕事の様子、1日の流れ、社内の雰囲気など、求人票や自社サイトの文章だけでは伝えきれない部分を、動画で見てもらう場をつくります。

ポイントは「継続的に」という部分です。1本の採用動画を作って公開するだけでも意味はありますが、それは単発の採用動画。これに対してYouTube採用チャンネルは、動画を少しずつ増やしていくことで会社の魅力が積み上がっていくのが特徴です。応募を検討している人が「この会社、どんな感じだろう」と調べたとき、複数の動画から会社の空気を感じ取れる——その状態を目指す取り組みだと考えてください。

気になるのは費用ですが、動画の種類によって相場は大きく変わります。たとえば社長や社員の日常を追うドキュメンタリー型は、80〜200万円ほどが目安とされています[moovy/動画幹事]。一方で、まずはスマホ撮影から小さく始める方法もあります。種類ごとの相場感と依頼先の選び方は 採用動画の費用相場は?依頼先の選び方と失敗しない進め方 でくわしく解説しています。

出典:moovy/動画幹事。※金額は一般的な目安であり、動画の尺・撮影日数・編集の内容により変動します。

実際に運用しているチャンネルの例

説明だけでは分かりにくいので、当方が実際に制作し、実際に公開されている動画をそのまま載せます。イエステーション金町店様(株式会社フジホーム様)の、社長に密着したドキュメンタリーです。

イエステーション金町店様(株式会社フジホーム様)の社長密着ドキュメンタリー。掲載許可をいただいています。

見ていただくと分かるのですが、派手な演出はありません。社長が実際に話している言葉と、現場の様子だけです。採用の動画で効くのはここで、きれいに作られたPR映像よりも「この人の下で働くのか」が分かるほうが、応募する側には意味があります。

この動画を軸に、番号を振ったシリーズとして続きを積み上げていく設計にしています。1本目をきちんと作っておくと、2本目以降はぐっと楽になります。会社の説明をゼロから組み立て直す必要がなく、「あの動画の続き」として撮れるからです。

この事例のねらいと進め方は トップページの導入事例 にまとめています。

中小企業が始めるメリットと注意点

知名度で大企業に勝ちにくい中小企業にとって、YouTube採用チャンネルは相性の良い手段です。主なメリットは4つあります。

  • ①24時間働く採用担当になる:一度公開すれば、深夜でも休日でも、会社のことを応募者に伝え続けてくれます。
  • ②社風・社長の人柄が伝わり、ミスマッチが減る:文章では伝わりにくい雰囲気や人となりが、動画なら短時間で正確に伝わります。
  • ③一度作れば長く使える:求人媒体のように掲載期間で消えず、資産として残り続けます。
  • ④求人票・自社サイト・SNSに横展開できる:1本の動画を、募集要項に貼る/サイトに埋め込む/SNSで切り抜くなど、いくつもの入口で活用できます。

とくに②のミスマッチ対策は、動画の得意分野です。良い面だけでなく、実際の現場の様子も含めて「ありのままを見せる」という考え方は、採用の分野ではRJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)と呼ばれ、初期の定着に効果があるとする研究が複数あります(解説:[日本SHL])。くわしくは RJPとは?早期離職を減らす“見せ方”の基本 をご覧ください。

単発の採用動画 vs YouTube採用チャンネル運用

観点単発の採用動画YouTube採用チャンネル運用
作り方1本作って公開して完了軸の動画+切り抜きを継続公開
伝わる情報量要点をコンパクトに複数の切り口で厚みが出る
時間経過内容が古くなりやすい更新で鮮度と信頼が積み上がる
手間・体制作り切れば負担は一度きり続ける前提の運用が必要
向いている会社まず1本試したい会社採用を中長期で強くしたい会社
注意:YouTube採用チャンネルは、すぐにバズる・すぐ採れる魔法ではありません。動画は積み上げてこそ効いてくるもので、継続が前提です。また効果には個人差・企業差があり、始めれば必ず応募が増えるとは限りません。「短期で成果が出なければ失敗」ではなく、資産づくりとして無理なく続けられる形にすることが大切です。

なお、採用動画を通じて志望度が大きく上がった、内定承諾率が改善したといった事例も紹介されています[ファインズ ※事例]。ただしこれは※一事例であり、同様の成果を保証するものではありません。自社に当てはまるかは、業種・職種・伝え方によって変わります。

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中小企業の始め方・続け方(作って終わりにしない)

YouTube採用チャンネルは、いきなり本数をそろえようとすると続きません。大切なのは「小さく始めて、無理なく続ける」設計です。おすすめの進め方は次の3ステップです。

  1. 軸コンテンツを1本つくる:まずは「社長の1日密着」など、会社の空気がまるごと伝わる動画を1本。ここが資産の中心になります。
  2. 短尺の切り抜きを複数出す:軸の動画から「社長のこの一言」「現場のこの場面」を1〜2分に切り出す。1本の撮影から、いくつもの入口が生まれます。
  3. 公開ペースを決めて回す:月に何本、と無理のないペースを先に決める。止まらないことが、数の多さより効いてきます。

無理なく続ける工夫

続けるコツは、「完璧を目指さない」ことです。採用動画は作り込んだPR映像である必要はなく、むしろ飾らない現場のリアルこそが、応募者の知りたい情報です。撮影のたびに大がかりな準備をするのではなく、日常の一場面をこまめに残していくくらいの気持ちのほうが続きます。1回の撮影で軸+切り抜きをまとめて用意しておけば、公開のたびにゼロから作らずに済みます。

プロに任せるか、自社で回すか

判断の目安はシンプルです。会社の「顔」になる軸コンテンツはプロに任せ、日常の切り抜きは自社で回す——この分担が現実的です。第一印象を左右する1本目は、構成・撮影・編集の質が効いてくるため、任せる価値があります。一方で切り抜きや日常の記録は、スマホでも十分。全部を外注しようとすると費用も手間も膨らむので、力を入れる場所と抜く場所を分けるのが、中小企業が長く続けるコツです。

「どこまで自社でやれて、どこを任せるべきか」は、会社の状況によって変わります。迷ったら、まず1本目の設計から一緒に整理するところから始めてみてください。

開設のときに決めておく6つ

チャンネルは5分で作れますが、あとから変えると面倒なものが6つあります。ここだけ先に決めておくと、後で作り直さずに済みます。

  1. 社長個人のアカウントで作らない
    YouTubeのチャンネルは、Googleアカウントの直下ではなく「ブランドアカウント」として作ることができます。こちらで作っておくと、管理者を複数人にできて、担当者が代わったときにも引き継げます。社長の個人アカウントで作ってしまうと、そのアカウントを開けないと何もできない状態になります。
  2. チャンネル名は「会社名+採用」
    凝った名前をつけたくなりますが、応募を考えている人は会社名で検索します。見つけてもらえることを優先して、会社名をそのまま入れてください。
  3. 概要欄の1行目に、採用ページのURL
    動画を見て「応募したい」と思った人の行き先を用意します。概要欄は途中から省略表示されるので、URLは最初に置きます。
  4. 再生リストを「採用」「仕事の様子」などで分ける
    本数が増えたときに、見る人が迷いません。3本しかない時点では不要ですが、名前だけ決めておくと迷わなくなります。
  5. サムネイルの体裁を最初に決める
    文字の位置・色・入れる情報(社名/回数)を1本目で決めて、以降は同じ型を使います。統一されているだけで、続いているチャンネルに見えます。
  6. コメント欄を開けるか、閉じるか
    採用の動画は、無関係な書き込みが入ると印象を損ねます。運用に人を割けないなら最初から閉じておく判断も十分あります。あとから開くのは簡単です。

撮影・公開の実務(同意・音楽・限定公開)

1日の撮影で、何本ぶんを撮るか

続かない一番の理由は、撮影日を毎回セッティングしなければならない形にしてしまうことです。半日でも社長と社員の時間を空けるのは、中小企業では簡単ではありません。

そこで、1回の撮影で軸1本+切り抜き数本ぶんの素材をまとめて押さえます。軸の動画を撮るときに、①社長のインタビュー、②現場・作業の様子、③社員の短いひとこと——この3種類を必ず素材として残しておくと、あとから短い動画を切り出せます。撮影は1日、公開は数か月ぶん、という配分にするのが現実的です。

出演の同意は、先に取る

社員が映る動画をインターネットに公開するので、出演の同意は撮影前に取ってください。口頭でも成立はしますが、あとで揉めないように書面(簡単な同意書)にしておくほうが安全です。

意外と起きる問題:出演した社員が退職したあと、その動画をどうするかです。「退職したら消してほしい」と言われる可能性があります。あらかじめ「退職後も公開を続けてよいか」「本人から申し出があれば非公開にするか」を決めて、同意書に書いておくと、そのときに慌てません。社長が主役の密着型は、この問題が起きにくいという利点もあります。

音楽は、権利が確認できるものだけ

市販の楽曲やテレビで流れている曲をBGMに使うことはできません。無断で使うと、YouTube側で収益化の制限や再生のブロックがかかることがあり、会社の公式チャンネルとしては避けたいところです。YouTubeの「オーディオ ライブラリ」や、商用利用が明記された音源サイトから選んでください。表示(クレジット)が条件になっている音源もあるので、利用条件は必ず読みます。

※音楽・映像素材の利用条件は提供元によって異なります。使用前に各提供元の規約をご確認ください。

「限定公開」を使い分ける

YouTubeの公開設定には、検索や一覧に出てこない「限定公開」があります。URLを知っている人だけが見られる状態です。

設定向いている使い方
公開会社の顔になる軸の動画、仕事紹介。検索から見つけてほしいもの
限定公開選考の途中で応募者だけに送る動画、社内の細かい説明、取引先向けの内容
非公開社内確認用。関係者以外は見られません

「全部を世に出すのは抵抗がある」という会社でも、軸の1本だけ公開、残りは限定公開で応募者に送るという形なら始められます。実際、この進め方をとる会社は少なくありません。

求人票・自社サイトとつなぐ

YouTubeに置くだけでは、見てもらえる回数は伸びません。すでに人が来ている場所から、動画へ道をつけるのが先です。効果が出やすい順に並べます。

  • 求人票・募集要項に動画のURLを入れる:いちばん効きます。応募を迷っている人がその場で見られます。媒体によってURLを載せられない場合があるので、掲載ルールを確認してください。
  • 自社サイトの採用ページに埋め込む:サイトに来た人の滞在が伸び、応募前の不安を潰せます。
  • 会社案内・名刺・現場の看板にQRコード:紙とネットをつなぐいちばん簡単な方法です。
  • 面接の案内メールに、限定公開のURLを添える:来社前に会社の空気を知ってもらえるので、面接の質が変わります。
  • ショート動画やInstagramに切り抜きを出す:新しく知ってもらう入口です。ただし続かないと意味がないので、最後に回してかまいません。

SNS側が止まってしまう理由は 中小企業のSNSが続かない理由 に整理しています。

よくある失敗5つ

失敗何が起きるか先に打つ手
1本目で力を使い切る作り込みすぎて疲れ、2本目が出ない。半年止まったチャンネルは、見た人に不安を与える1回の撮影で複数本ぶんの素材を押さえる
会社紹介だけを撮る沿革と事業内容の説明で終わり、人が見えない。求人票と同じ情報しかない人(社長・社員)を主役にする
良いところだけ見せる入社後に「聞いていた話と違う」となり、早期離職につながる大変な部分も含めて見せる(RJP)
再生数を目標にする採用と関係ない企画に寄っていき、社員が疲れる指標は「応募者が見たか」に置く
公開して、どこにも貼らない誰も辿り着けない。求人票にURLが入っていないケースが多い公開と同時に求人票・サイトに貼る

この5つのうち4つは「撮る前」に決めておけば避けられます。撮影の腕よりも、最初の設計のほうが結果を左右します。

効果は、何を見て判断するか

採用目的のチャンネルでは、登録者数や再生数はあまり参考になりません。見るべきは次の3つです。

  1. 面接で動画の話が出るか:「動画を見ました」と言われるようになれば、届いています。
  2. 視聴の維持率:YouTubeの管理画面で、どこで離脱されたかが分かります。冒頭で切られているなら、最初の10秒を作り直します。
  3. 入社後の定着:いちばん大事な指標ですが、判断できるのは半年〜1年後です。焦らず見てください。

よくある質問(FAQ)

YouTube採用チャンネルは無料で始められますか?
チャンネルの開設・動画の公開そのものはYouTube上で無料でできます。ただし「見てもらえる・伝わる」動画にするには、撮影や編集の手間、あるいは制作費がかかります。まずはスマホ撮影で小さく始め、手応えが出た軸コンテンツだけプロに任せる、という段階的な進め方が現実的です。
どのくらいの頻度で投稿すればいいですか?
決まった正解はありません。無理に高頻度で更新するより、続けられるペースを最初に決めることが大切です。軸となる動画を1本作り、そこから短い切り抜きを複数出す形なら、月数本でも“貯まっていく”運用になります。止まってしまうより、細くても続くほうが採用の場面では効いてきます。
登録者が少なくても採用に効果はありますか?
採用目的の場合、登録者数や再生数の多さが直接のゴールではありません。応募を検討している人が、求人票やサイトから動画にたどり着き、会社の雰囲気を事前に確認できることに価値があります。数は少なくても、応募者一人ひとりに“見てもらえる”状態が作れていれば意味があります。ただし効果には個人差・企業差があります。
社長が話すのが苦手でも、YouTube採用チャンネルはできますか?
できます。むしろ、流れるように話せる社長よりも、言葉を選びながら話す社長のほうが伝わることがあります。台本を読み上げる形にはせず、聞き役が質問して答えていただく形にすれば、話し慣れていなくても成り立ちます。編集で言い直しや沈黙は整えられますので、話す訓練は必要ありません。
社員が動画に出るのを嫌がったらどうすればいいですか?
無理に出していただかないのが原則です。出演の同意は撮影前に取り、断られた方は映さない形で構成します。社長が主役の密着型であれば、社員は後ろ姿や手元だけ、あるいは映らない形でも成り立ちます。なお、出演した社員が退職したあとの扱い(公開を続けるか、申し出があれば非公開にするか)も、先に決めて同意書に書いておくと安心です。
BGMに好きな曲を使ってもいいですか?
市販の楽曲やテレビで流れている曲を、許可なく使うことはできません。YouTube側で再生のブロックや収益化の制限がかかることがあり、会社の公式チャンネルとしては避けるべきです。YouTubeの「オーディオ ライブラリ」や、商用利用が明記された音源サイトから選んでください。音源によってはクレジット表示が条件になっているため、利用条件は必ず確認します。
動画を公開したくない部分があります。全部を公開しないとだめですか?
いいえ。YouTubeには、検索や一覧に出てこない「限定公開」という設定があります。URLを知っている人だけが見られる状態です。会社の顔になる1本だけを公開にして、残りは限定公開で応募者や面接に来る方だけに送る——という進め方でも十分に機能します。
チャンネルは社長のアカウントで作って大丈夫ですか?
おすすめしません。YouTubeのチャンネルは「ブランドアカウント」として作ると、管理者を複数人に設定でき、担当者が代わっても引き継げます。社長個人のアカウント直下で作ってしまうと、そのアカウントを開けない状況では何も操作できなくなります。最初にここだけ決めておくと、あとで作り直す手間がありません。

市境を越えて届く、という強み

柏市で働く人の41.8%は市外から通っています(流山6.7%、松戸6.6%、我孫子4.8%ほか)。(柏市「統計データ等から見た柏市産業の特性」)採用圏は柏市ではなく、東葛エリア全体です。

紙の求人やエリア限定の媒体は市境で止まりますが、YouTubeに置いた動画は市境を越えて残ります。しかも、応募を考えている人が「この会社どんな感じだろう」と後から検索したときに、そこに在ることが効きます。

再生数を追う必要はありません。会社名で検索した数人にきちんと届くことのほうが、地域採用では意味を持ちます。

柏市の採用の現状と、この地域での動画の作り方は 柏市の中小企業向け 採用動画 にまとめています。

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ご相談は無料です。「何から始めればいいかわからない」という段階こそ、お気軽にどうぞ。